★ウミホタル
 ウミホタルはミジンコの仲間で、体に透明な2枚の貝をもっています。おとなで3ミリくらい、米粒ほどの大きさです。水深5メートル前後の海底を活動域として、昼は砂地にもぐり、夜になると砂から出て活動する夜行性です。
 北は青森から南は沖縄まで、おもに太平洋側の岸で見つかっていますが、環境汚染や海辺のライトアップなどによって、首都圏からはしだいに姿を消し、関東地方では、茨城県や千葉県の一部でしか見られなくなってしまいました。その数少ない関東の生息域の中でも、特に館山湾は密度の高い場所として研究家の中でもよく知られています。

●ウミホタルを観察してみよう
 ウミホタルは、水深5メートルほどの砂地で波のしずかな、そして暗い海辺にすんでいます。夜行性なので、捕獲は夕暮れをまっておこないます。
 つかまえるときは、捕獲器の中にえさをいれて、ビンをしずめます。このとき、海底でビンが立ってしまわないように、底についたら、少しだけひもをひっぱってたおすと、ウミホタルがはいりやすくなります。15分から30分ほどでひきあげると、なかに20〜30匹、多いときには100匹以上のウミホタルがはいっています。つかまえたウミホタルは、水をかきまぜたり、取り出してそっとふれたりすると青白く発光します。よく観察すると、ウミホタルではなく、そのまわりの水が光っているのがわかります。
 観察が終わったら、その場で海にかえしてあげましょう。